牙狼 月虹ノ旅人

たまたま公開初日が休みだったので観てきたぜ〜!!
・ファンサービスはたっぷりあったけど、正直なところ世界観や物語に新しい発見やドキドキする要素はなかったかな…「牙狼ぴあ」のインタビューで「これまでの延長線上でシリーズを続けるのはもう限界」みたいなことを監督が言ってたけど、さもありなんと思ってしまった。
・どうも見た目は凝っているけど意味付けが薄いシーンが多く感じてしまった。
例えば、バルチャスを打つ場面。雷牙と少年の血縁関係を示すために必要なシーンではあるのだけれど、一局打つだけで牢を出られるのなら、ロボ車掌とチャンバラしてまで無賃乗車したのは何だったの?そもそも何のための投獄だったの?と言った違和感がある。
続くビザールな女体盛り宴会エリアも、白孔との戦いの余波で人がどんどん消滅してるけど気にしないで良いの?とか。
白孔もなあ。フサフサの付いた剣で戦うからまた魔戒法師崩れかな?と思わせるだけで何のバックグラウンドも無し。雷牙にとってのライバル出現かと思ったら単なるアバターで終わってしまったのは少々寂しい。
・特にピンチ感のない場面で鋼牙がぬるっと現れて実は雷牙が既に魂だけの状態で鎧に囚われていたというのは意外性があって面白かったかも。
・雷牙の肉体を鎧から脱出させたり、結界を破壊したり、今回はクロウくんに活躍の場があって嬉しいけど、翼を生やすと装着時間が激減する設定はどこ行った。アレカッコよかったのに。
・戦う力を持たない人々の強い願いや想いがヒーローを立ち上がらせる、というシチュエーションはヒーロー物の定番の熱い演出なわけですが、牙狼シリーズの場合ヒロインの想いがこもった品物がフツーにビームやバリアを放って強力な武器になってしまうのがやや不満なのよね。厳しい修行を経ても瞬殺される騎士や法師は何だったの?とかホラーの被害にあった一般人に「強い想い」は無かったの?とか考えてしまうわけで。まあホラーは怨念みたいなもんだからヒロインの想いが通じてもおかしくないけど。一般人が無力なほどヒーローの力に意義が生まれると思うんだけどなあ。
・「今度は魂だけじゃないぞ」とか言いながら”Theme of GARO”をバックに鋼牙が参戦するシーンは超アツいけど、その後に「やっと力が戻った」とか言いながら参戦する大河は何なの。この人こそ故人で魂だけじゃん!冴島一族は妙な禁術とか使わなくても時空を超越した存在になっちゃうんスかね。そして3体に分裂しながら喋るザルバ。どうなってんの。
・「未来で生命がつながっている」とか言いながらマユリちゃんの下腹部を発光させてドクンドクンいわせるのはちょっとロコツすぎませんかね…。
・黄金騎士3人を相手にできる悪役といえばこの人しかいない、というわけで京サマ復活。「お前はバラゴではない」とか言われてたし、バラゴは小説で改心してたっぽいし、呀の残りカスが自我を得た感じでしょうか。雷牙の産声を聞いてワンチャン俺もイケるかも!と希望を抱いて復活、って復活の条件ユルユルだな!太古のホラー復活のために生贄を捧げたり儀式を頑張ってた歴代悪役の苦労は何だったのか。そしてヨガみたいな無茶なポーズで3人の剣を受け止める様は半分ギャグの領域。
・親子3代組体操バトルや鎧の部分装着は面白かったけど、強さかっこよさとはまたちょっと違うような…そういや「
魔戒ノ花」の回想シーンで鋼牙はザルバや魔戒剣を雷牙に継承させたはずだけど、今作の鋼牙は何で牙狼装備を失っていないんだろ。エイリスの後始末で時空を彷徨う存在になったからその辺の前後関係は融通が利くのかしら。
・ガジャリ様はホイホイ願いを聞きすぎ。
・雷牙の代償まで鋼牙が先払いしちゃうのは、雷牙の物語としてはどうなんだろう。その点に対する答えが「自分から迎えに行く」なのかもしれないけど、冴島一族が時空の歪みの後始末にかかりきりになってしまうと、現代でのホラー退治はどうすんだ。またクロウくんが苦労するのか。そういや今作は親子3代がテーマだから出る幕がなかったけど、零も時空の狭間をさまよい続けているんだよな…。異世界にもゲストで出し放題ってことか。

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