視聴完走できて良かった良かった。テレビで第4期が放映されて、まだまだ作品の展開が続くのだからファンとしてはありがてえ話よ。
毎度アクションや映像表現は毎週放映されるテレビドラマとしては破格のスゴさだと思うのですが、序盤はすごくワクワクしながら観ていただけに、不満と言うより期待としてはもっと面白くなる余地はあったんじゃないかなーと思ったりします。固定ファンや特撮ファン以外の普通の人に遠慮なくオススメするにはあともうちょっと何か足りないみたいな。
舞台や時代が変わって視聴者がジェネレーションギャップを感じるような話は「闇を照らす者」で既にやっているせいか、今作は過去作へのオマージュ的なシーンが多かったワケですが、初めのうちは鋼牙と雷牙の似ている部分や対比されるところを面白く観ていたものの、中盤当たりからはその手のシーンの多さに胸焼け気味でした。逆に「闇照」の良さを再発見したり。「Makaisenki」の後の時代なのだから、騎士と法師が組織的に連携していたり、世界観の変化や広がりがあっても良かったと思うのですが、原点回帰を目指すには早すぎて、過去作と代わり映えしない感じがしたかも。
これまでの牙狼シリーズのお話としては、第1期が個人的には一番面白かったのですが、その要因としては、お互いに得体の知れない登場人物達が、徐々に距離を詰めたり決別していく様がスリリングで退屈しなかったのだと思います。
「白夜」以降はシリーズを重ねすぎたカンフー映画のように、主要キャラクターが仲良しグループになっちゃって緊張感が無くなった感があるものの、一度仲間になった連中がいまさら敵対してもグダグダな内輪もめだしなぁ…と、そこら辺は受け入れてボサーッと観てきたワケです。
「魔戒ノ花」では、序盤のクロウ君が武器もアクションもめっさカッコいいし、思わせぶりな「デキる男」感満載のセリフを連発していたり、「通常の魔戒騎士とは活動内容の異なる闇の者」とか「雷牙の手助けは表向きの名目で、別の活動目的がありそう」といった、どんな駆け引きが行われるのかワクワクする設定があったし、クロウ君がクセモノなところをもっと見せていたら、搦め手一切無しで強い!という雷牙のキャラクターと好対照になったであろうことを考えると、そこら辺が大して広がらずに無害な舎弟キャラに落ち着いてしまったのが非常にもったいなかったです。
終盤のクロウ君の熱演と、迷セリフの連発は面白かったのですが、岡本倫先生の漫画作品的というか、ネタキャラ的なイジり方は、個人的には牙狼に期待する面白さの方向性ではなかったなあ。番犬所の神官さんも、無害過ぎて見せ場が無かったし。
善し悪しでは無く好き嫌いの話として、牙狼のストーリーって理屈より情に傾いている事が多くて、リリカルなのはとかガンダムとかの「想いの強さで奇跡が起きる!」ってパターンがピンと来ない人間としては、もっと登場人物の戦略とか機転で「その手があったか!」と感心させつつそのキャラクターの心情や立場を戦い方に絡めるような展開が観たかったかもね〜。
来週からのアニメ版牙狼は毛色が変わりそうで楽しみです。狼だけに。