牙狼 余談

牙狼の話題を探していると、ちょくちょく「冴島鋼牙は財閥の御曹司」なる設定に言及されている事がありますが、これはムック「魔戒の書」で紹介されている初期プロット、要はボツ案の一部なんだぜ。

初期の企画では、大人向け特撮というコンセプトも生まれておらず、近未来都市を舞台に牙狼がテレビに出演して市民に注意を呼びかけたり、警察と協力して悪を退治したり、街の各所に設置された狼のマークから牙狼が召喚されてくる、といったアイデアがあったそうですが、予算に対して規模が大きすぎる、ということで大幅見直しして今の形になったのだとか。
(「白夜の魔獣」の初期案の一つ、魔戒騎士同士のトーナメントが後に「妖赤の罠」〜「蒼哭ノ魔竜」で使われたように、もしかしたら「近未来都市」の部分だけは「闇を照らす者」に受け継がれたのかも…?妄想ですが)

大体、魔戒騎士や法師は本編中の描写では人間社会と極力関わらないようにしているし、プリンも知らない閑岱の住人が都心まで通勤して会社勤めとは思えないし、財閥なんて持ってたら人類からしたら騎士や法師こそ人間社会を人知れず牛耳る暗黒メガコーポ扱いされて魔女狩りじみた抵抗運動が起きそうだし、昼も夜も任務があって月一で魔導具に命を吸われる魔戒騎士に副業なんてやるヒマないっしょー。
「RED REQUIEM」ではアカザさんが拠点にお店を開いてましたけど。主な収入源となるほど繁盛していたのか、単に「表の顔」として利用していたのかは不明です。

(ちなみに、鋼牙の生活費については、祖先の遺産を少しずつ換金して慎ましく生活しているという話をカントクのブログとか関連書籍で読んだ記憶があります。でもそれだけだと名家に生まれなかったモブ騎士の皆さんが辛過ぎるし、滔星ママンみたいに堕落するヤツが続出しそうなので、自給自足してる連中以外は田舎から仕送りしてもらってるんじゃないかしら。番犬所が手当てを支給するとも思えないし。もしくは奥さんや家族が魔戒法師で、号竜や術を使って農業もその他製造業も片手間にラクラク!なのか?妄想ですが)
まあ、スタッフの心の中には裏設定として財閥設定が生きている可能性もゼロではないので、「まだ財閥の御曹司とか言ってるぜ〜<要出典>」なんて煽ったりしてはいけません。

ところで、似たような話でWikipediaの牙狼の記事に載ってる、「回想シーンと本編とで鋼牙の髪の色が異なるのは、母方の血が覚醒したから」という、ジョルノ・ジョバァーナみたいな設定がありますが、「白夜の魔獣」に登場した鋼牙の母、りんはフツーに黒髪でした。どこから出てきた話なんだろう?
オンエア時のファンの二次創作や考察が広まったのか、第一期時点のスタッフの中では正式な設定だったけど「白夜の魔獣」で拾い忘れたのか、それともりんではなくりんの遠いご先祖様が茶髪だったのか…はたまた伝説の金色の狼と人間の娘の間に生まれた血筋なのか…(無い無い)どーでもいいっちゃどうでもいいですけどネ。

そういや「魔戒ノ花」でエイリスを封印しちゃったら、時空の歪みが無くなって、親父も零も帰る手段がなくなっちゃったんじゃ…?流石に魔戒騎士が気合で自力タイムトラベルできるようになっちゃったらシナリオ崩壊どころじゃないし。現地の魔戒法師に時空を移動する技術があったらさまざまな事件が未然に防げちゃうし。
まああの二人なら、テキトーに似たような能力を持つホラーをシバいて帰ってきそうですが。奥の手でガジャリ様のお使いをもう一度こなすという手もあるけど、便利過ぎて回数制限されそう。
それとも超過去にワープして魔戒騎士の始祖となるループ落ちだったりして…。

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